Love Slave
(何なのさ、アイツ!!)


あんなのが会長で、生徒会執行部は成り立ってるのか?最高権力者の頂点がドSだなんてあり得ない。


何が可愛いだ! そんなこと微塵も思ってないくせにっ。
それに惚れただと? 自惚れるな、馬鹿野郎。


でも、何だろう? このもやもやした気持ちは。足をピタッと止める。


私は彼に振り回されっぱなし。いつまで続くんだろう、こんな生活……。
奴隷にされて何されるかと思えば、ただの小間使いじゃないか・


「……帰ろう」


会長の許から離れたら、右足の親指がズキズキ痛みだした。そうだ、怪我してたんだっけな。群れる女子生徒の鬼のような表情が浮かぶ。これも続くのかな。


「あっ、もとかちゃん!」


「ふ、副会長」


私が立っていた位置の扉が開き、長い髪を靡かせた副会長が出てきた。
今朝、ほっぺとはいえ、チューされたことを思い出して体温が急上昇する。
が、そんなことは気にも留めず、副会長は平然とした態度で手招きしてきた。


「ちょうどよかった、呼びに行こうと思ってたんだ」


「え、私を……?」


「うん、生徒会庶務としての初仕事だよ」


ここは第一会議室。生徒会室ほどではないが普通教室よりかは広い。棚にはたくさんの資料が綺麗に整理されていた。会議室と言うよりも新聞社みたいだ。


副会長だけでなく、ツンツン頭の長身でヘッドホンしてる人とウェーブかかった金髪の可愛い男の子(フランス人のハーフだっけ?)がすでに作業中だった。会長以外のメンバーが揃っていた。


「まず、この資料をまとめてコピーしてくれる?」


「は、はい」


どっさりと資料を渡された。うげっ……こんなの一人でやるの? 1年から3年の分。ジャンボ学校だから相当な量になる。


気が遠くなってしまった。

忘れかけていたけど、私は会長の奴隷兼生徒会庶務。

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