ボクがキミをスキな理由【短編集】
「あははは!!なかなかやり手ねぇ、そのセンセイ!」
「笑い事ちゃうで!?
塾も進学コースから特別進学コースにクラス替えさせられるし、踏んだり蹴ったりや!!」
「あ、そうなの??」
「おう。進路希望を変えたら塾の先生ルンルンになって俺を特別進学コースに連れていきやがったんや!!ホンマいい迷惑や!!」
夜、9時
俺はいつものように
自室でアンナに電話をかけていた。
「でも意外~。」
「はぁ?何が?」
「レオって外見ハデだから勉強できるタイプに思わなかった。」
「悪かったな。
まぁ人並み以上にお勉強はできるっちゅーこっちゃ。」
「わ、偉そうに~!」
あの日から続いている
アンナへの電話攻撃
ライブがあったり
仕事があったりする日は
さすがに電話に出てはくれないけど
俺が電話するとアンナはいやな顔せずに
『久しぶりだねぇ。
声聞きたったよ?レオ。』
そう言ってイタズラっぽく笑ってくれる。
やり手のオトナのオンナの
手馴れた手口
そう見えるかも知れんけど、アンナが言うとちっともイヤミがない。
むしろ、嬉しいんや
迷惑に思ってないんやな、って
俺の電話楽しみにしてたんやな、ってわかるから。