ボクがキミをスキな理由【短編集】



「あははは!!なかなかやり手ねぇ、そのセンセイ!」


「笑い事ちゃうで!?
塾も進学コースから特別進学コースにクラス替えさせられるし、踏んだり蹴ったりや!!」


「あ、そうなの??」


「おう。進路希望を変えたら塾の先生ルンルンになって俺を特別進学コースに連れていきやがったんや!!ホンマいい迷惑や!!」





夜、9時
俺はいつものように
自室でアンナに電話をかけていた。





「でも意外~。」

「はぁ?何が?」

「レオって外見ハデだから勉強できるタイプに思わなかった。」

「悪かったな。
まぁ人並み以上にお勉強はできるっちゅーこっちゃ。」

「わ、偉そうに~!」





あの日から続いている
アンナへの電話攻撃


ライブがあったり
仕事があったりする日は
さすがに電話に出てはくれないけど




俺が電話するとアンナはいやな顔せずに


『久しぶりだねぇ。
声聞きたったよ?レオ。』


そう言ってイタズラっぽく笑ってくれる。





やり手のオトナのオンナの
手馴れた手口





そう見えるかも知れんけど、アンナが言うとちっともイヤミがない。



むしろ、嬉しいんや



迷惑に思ってないんやな、って
俺の電話楽しみにしてたんやな、ってわかるから。




< 361 / 461 >

この作品をシェア

pagetop