汝、風を斬れ
「スージェは、おそらくそうでしょう。それよりも私が解せないのは、なぜ私達はここに飛ばされたのか、どうして今、ヴェルズ将軍はセントの洗脳剤を発動させないのかということ……もしかしたら」
ジンは言葉を繋ぐ。
「洗脳剤は操作者の死によって効力が消える。万が一、反乱が成功し裏王家の血を引くヴェルズ将軍が王となり、セントが洗脳剤によってそういう考えになっていたとしても、ヴェルズが死ねばそれできっと終わりです。セントが心を戻した時に、自分のしていることを正当化はしないでしょう。それでは意味がない。一代で終わらせては意味がない。だから一度、薬や魔法に頼らずに説き伏せないと……」
「うるさい」
ヴェルズの矛先がジンに向けられる。が、ジンは丸腰である。セントがそれを察知し、ジンの前に移動した。ジンはキュアに覆い被さり、セントはヴェルズの刀を受け止める。