~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
『感じ悪くてすまん! なんとか具体的な方策を提案してくれないだろうか』
『ていあん、提案? んまあ、ないことは、ない、けどなァ、俺一人が収縮化して看守の鍵を盗むなんてまねは……』
『そうか! その手で、何とか頼む!』
『う、まあ、気持ちはわかるし、頼み込まれちゃあしかたがない、よな?』
自分に問い掛けるように、クリスチーネは頭を傾げた。
『ここ一番で上手いこと利用されてる気がするぜ』
いまいち不満げだが、頼れるのは今、彼女しか居ないのだ! 二人ともそう考えていた。
『それでこそ、仲間だ!』
がちゃり、と看守の鍵から脚輪の枷をはずす。