~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
二人はさっさと退散することにした。が……
『ばっきゃろー、地獄の案内人を無視すると後で痛い目見るからなー!』
二人は沈黙して立ち止まった。
再び背後を見る。
そうひょいひょいとゆける道のりではないが、王子は大ウシガエルに近づいた。
がばり、
と口を開けたところでのぞき込む。
口の中の粘液の中に確かにそこには小さ神がとらえられていた。
『クッソー、俺をなんだと思ってる。遊び道具じゃないんだぞー! 無視するなよー、助けろよー。わーわーわー! だれか、だれかー!』
王子の手の中で手を振り回して泣いている。羽虫のような羽は本物のようだ。