~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


 彼女はすがりながら王子を見上げて、二の腕につかまって言った。


『感謝するっていえよ! 感謝、かんしゃ、かんしゃ!』


「これの使い道を教えてくれたらな」


 彼女の顔はぱあっと明るく輝いた。


『それは命令か?』


「知っているのか、なら是非、教えてくれまいか」


『お、俺は主の命令は聞くが、頼み事なんて、されたことがないからな。勝手がわからん』


「私もこんなキュートな小さ神が言うこと聞くというなんて驚きだな。第一、なぜあのようなところにいたのか」
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