~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
『その質問は命令か? そのようなことにこの俺が答えねばならんとしたら、そうであるに違いあるまいな』
「ああ、うん。いや、いいよ、思ったら初対面だったしさ。気になっただけだから」
『初対面! そうだった。俺、地獄のフルーツを入手に来たんだっけ。毒々しい緑色の球体で、中身が血のような深紅の食べ物と聞いている。見たこと無いか?』
「ないなァ?」
確かめるように言うと、アレキサンドラは素直にふるふると首を振った。
「ありません。ごめんなさい」
『はにゃにゃー、どうしても竜の神様がほしいって言うから地獄の一丁目くんだりまで来たって言うのに、足は引っ張られるわウシガエルには餌と間違われるわで、もう……』