~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
「それであんな処に……いったいどうして沼地になんか」
『うっ、そ、それはわけあって……それにウッシーのやつには眠ってるところを勝手に口に入れられたまま、運ばれたんだ』
「粘液にまみれていたのはそういうわけか」
『ま、あんなもんでこの俺が息の根止められるようなことは絶対にないがな』
「ならば心強い。では真名を語れ」
ひゃっく! と小妖精は危うく舌を噛んでしまいそうになったらしい。アヂヂヂ、なんて、言ってる。
『真名ァ? なんっっで俺がおまえなんかにィ?』
「悪用しないと誓う。初めに聞きたいことがあるんでな」