~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
『ふんっだ! この俺はなあ、真名に支配されたりなんかしなくても、うそなんか』
「多少込み入った話になる。確かな証言と保証がほしい」
『命令なんだな』
「ああ、本意ではないが、そうなるな」
『いようし! ちかくばよって目にも見よ!』
ごつん、と王子の会心の一撃。
「大声で言ってどうする。悪魔達の巣窟だぞ、ここいらのことにはくわしいんだろうな」
『あいやあ、そのう』
「違うのか?」
『俺、気づいたらかえるの口の中でさ、天界からは、ほとんどどうやって来たのか知らないんだ。でもほら! 天性のカンてやつ? いっつもどうしてか助かるんだ。これも運命なんだよ。だからよろしく』