~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
アレキサンドラが彼女を見下ろして、
「変わったご縁ですね、王子」
「言ってくれるなリックよ」
「竜の神様はどうしてそんな奇っ怪な食べ物をご所望なのだい? 小さいひと」
『小さい言うな。それに俺はトクベツなんだぞ』
なんて、少し自慢げにメダルを見せた。
「これさえあれば世界中、どこでもフリーパスなわけだ」
と、ピン、と指先ではじく。メダルは黄金の光を放ち、ふんぞり返っている小妖精の小鼻がぴくぴくするのが照らされて、いかにもおかしかった。
「ちっちゃいな、メダルまで」