~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


 アレキサンドラが彼女を見下ろして、


「変わったご縁ですね、王子」


「言ってくれるなリックよ」


「竜の神様はどうしてそんな奇っ怪な食べ物をご所望なのだい? 小さいひと」


『小さい言うな。それに俺はトクベツなんだぞ』


 なんて、少し自慢げにメダルを見せた。


「これさえあれば世界中、どこでもフリーパスなわけだ」


 と、ピン、と指先ではじく。メダルは黄金の光を放ち、ふんぞり返っている小妖精の小鼻がぴくぴくするのが照らされて、いかにもおかしかった。


「ちっちゃいな、メダルまで」
< 77 / 118 >

この作品をシェア

pagetop