~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


『俺の本当の名はリリアン。あなたに忠誠を誓う』


 勢い込んで、クリスチーネは言った。


『あっ、でも、黄泉の国までわざわざ出向いてきたからとか、感動したとかじゃないんだからな! あくまで、竜神様のためだ。それに、あれは事故だった!』


「もういっかい、なぜたおされてみる? つむじがはっきりするほどに」


『うわーん』


 と言って、クリスチーネは逃げる。

 そして回り込む。彼女はアレキサンドラが味方なのを知っている。

 オーラが出ているのだ。それは周囲を暖める春に咲く花のようだった。


「こっちへよこせ、リック」
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