~天に背いて~<~天に送る風~第二部>


「そう。だってボク達は彼を助けに来たんだもの」


 むう、とふくれつつ、そんなことは自分に関わりないと横を向くと、頭上近くまで積まれた荷物がそのまま崩れそうになる。


『とはいいつつも、自分とこの荷物には責任持ってほしーよな』


 クリスチーネが蚊の鳴くような声で言っても無駄なのであった。


「どこの種族か知らないけど、冥府では『自分の物』なんて無いって事を教えてやるぜ」


 密かに呟くと小さ神のクリスチーネは荷を黙って砂地に転がした。あまりに重くて嫌気がさしてきたのだ。


「あれは……」


『うっるせーなー、親父かよ』
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