~天に背いて~<~天に送る風~第二部>
(そんなへなちょこ王子、叱咤しておやりなさい!)
『王子、わたくしとて信じているわけではないのです。全てが必ず上手くいくなどと。でも希望は失わない。あなたがここにおわすから』
王子はうつむく。
『これから先、どんな苦難にあわれようとも、あなたはそれらに負けては居られないはずです。王が、王妃が守ってきたのは』
涙、あふれ、言葉がくぐもった。
『そんなあなたではない』
(そうよ! アレキサンドラ、それが正しい!)
王子は寂しげに笑った。