エージェント




本城本邸に行くと決まれば、もうその日に行くことになった。


朔羅が忘れないために、だ。


一応念のために、今日はtoxicも休むことをママに連絡した。





夜遅くに行きたくないからと、昼休み終わるとすぐ車を呼び、家に向かう朔羅。



本城の本邸は赤羽もそうだけど、山に登った所にあった。

車が何台も通れそうな大きな門に、広い敷地。屋敷の中へ入るまでにもそれなりの距離がある。
朔羅が帰ってきたと分かると、厳つい男たちは道を作る。


「坊ちゃん、おかえりなさいませ!」
「相良殿、お久しゅう!」

「…….えっと、ご学友の方ですか?」


朔羅、楽太郎への挨拶はできても、わたしに戸惑うらしい。
初めて来る人間だもんね。


これが男だったら、きっと睨まれていたに違いない。


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