エージェント




「親父はー?」

「組長は今しがた出られたばかりです」

「今かよ…」

「すぐ戻られるとは仰ってましたが…」

「まあいい。親父が帰ってきたら俺呼んでって言って。部屋にいるから」

「御意」



組には関わってないとはいえ、やっぱり朔羅はここの息子であることを実感する。



「コウキちゃん、大丈夫?」

「う、うん…」



楽太郎はキョロキョロしているわたしを見て怖がってるのかと思ってるみたいだが、わたしはただどういう作りなのかを偵察しているだけだ。



赤羽も本城も敷地面積自体はあまり変わらないくらいだ。
しかし赤羽は主屋が大きくかなり迷路のような複雑な造りになっているのに対して、本城は主屋自体はさほど大きくなく、離れの数が多い。


こんなに部屋数多いと、どの部屋かわからなくなりそうだ。





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