エージェント
「セーヤくんは光希ちゃんのこと好きだよねぇ」
「好きの次元が違いすぎてるやろ。あいつはミツしか見えてへん」
「慕われて嬉しくないことはないけどね」
「俺の事も尊えと言っとけ」
セーヤも気の毒だ。
その日の夜、本城本邸の主屋で会合が開かれた。
話は真ん中と、本城のこと。
宮前が組の幹部に現状を伝える。
「真ん中はもう無理や。どっちかに侵食されるんがオチやろ。本城も最近動きが活発なってきよった。あっちは組長自ら動いてるらしいで」
「宮前さん、そりゃあ、組長が動くってことは相当な力の入れようですね」
「ああ、あっちはどうしてもあの地が欲しいらしい」
やっぱり、あっちは組長が動いてるのか。
そこまでして欲しい土地…なのか。