エージェント





なんで?

どうして?


いろんな疑問は浮かんでくるけれど、そんなのどうでもいいくらい、頭の中が朔羅でいっぱいになる。




「このチビの名前は?」

「未散…」

「ミチルね。まじで俺にそっくりだな」

「……うん」

「兄貴の子じゃねぇだろな?」

「違っ…!」

「本当かよ」

「ほんとう!血液検査もしたし、間違いないっ…」

「まあ、だろうな。あんだけヤればできてもおかしくないし」

「…恥ずかしいこと、言わないでよっ…」

「お前が俺を離さなかった証拠だろ」



事実だからこそ、何も言えず、赤面してしまう。


どう計算しても、朔羅に最後に抱かれた、あの日に出来た子だ。



「ミチル」

「はぁい」

「パパだよ〜」

「………」

「パパ」

「パパぁっ」




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