幕末異聞
「ありえへんやろぉぉぉ!!」


楓は沖田のことを同い年か一つ上だと思い込んでいたのだ。


「まぁ、雑談は後にして、先に楓を近藤さんに会わせた方がいいんじゃないか?」

「そうですね!じゃあ、永倉さんまた後で〜!」


頭の中が混乱したままの楓を余所に、沖田はひとまず永倉に別れを告げる。



次に楓が引きずられてやってきたのは、きれいに手入れされた中庭が見える一番端の部屋。

襖の前まで行くと、

「近藤局長、沖田です」

さっきとは打って変わって真剣な声で襖に呼びかける。


「おお!入ってくれ」


襖の向こうから野太い男の声がした。


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