幕末異聞
「昨日、鴨川の土手で女のガキが死んでいたらしいんだが、似た用件で出動した隊士はいなかったか?」


「…鴨川?…女の子??」


思い当たらない。

第一、鴨川なら昨日沖田自身が巡回で回っていた。だがそんな出来事はなかったはず…



沖田は「あっ!」と思い当たる節があるような声を上げたかと思うと、すぐに声を出して笑い始めた。


「あっはははは!!!土方さん、それは悪い噂に踊らされたんですよっ!!」



「…なんだって?!」


「ふふふ。土方さんの言っている女の子は生きていますよ」



「…あ?」


「その女の子、元気に新撰組の朝稽古に参加しているはずですよ?」



「………ああッ!!!」


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