放課後sugary time

「愛衣ちゃんは優しいから年上だけど愛衣ちゃんって呼ぶよ。いい?」


「……もう呼んでるじゃない」


「まあね。強引なんだよ、俺って」


「この短時間でそれだけはよくわかったよ」


「そっか。良かった」



嫌味混じりの皮肉で返したつもりが、斎木くん改め威千都は何故だか嬉しそうな笑みを浮かべてる。


何が嬉しいのかはわからないけど、悲しいとか寂しいとかよりは良いはずだ。


帰るところが無いって言った彼の気持ちが少しでも軽くなってればわたしも嬉しい。


ただの自分への言い訳かもしれないけど。
そう思ったらさっきまでの後悔や罪悪感はいつの間にか頭の中から薄らいでいた。



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