愛しい人へ

-拓海-




俺は家のベランダに腰かけて
母ちゃんの切ったスイカを食べていた。


風呂あがりの夜風は気持ちいい。



「拓海ぃーーーーーーーーーーーーーーーー!」


俺の部屋に走ってくる音が聞える。


ドシドシドシ。


この音が愛しい。


振り向くと、たくましくオムツを履いた、俊平が立っていた。


まだ3歳。

幼稚園、年少なのに、おむつ(笑)
が、彼は気にしていない。


あ、弟じゃないよ(笑)

俺のねえちゃんの子供。


俺の姉ちゃんはこの家に住んでいる。
だから姉ちゃんの旦那の健くんも住んでいる。


この2人、まだ24歳。
だけど9年付き合っての結婚。



そう。この2人、中3の頃から付き合ってる。



健くんはまじ良い男って感じ。

イケメンなのにかっこつけてない。
髪も短髪でワックスが大嫌いらいし。
男は素で勝負だって俺にいつも言ってる。


だから俊平も超良い男になると思う。








< 16 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop