愛しい人へ
-拓海-
俺は家のベランダに腰かけて
母ちゃんの切ったスイカを食べていた。
風呂あがりの夜風は気持ちいい。
「拓海ぃーーーーーーーーーーーーーーーー!」
俺の部屋に走ってくる音が聞える。
ドシドシドシ。
この音が愛しい。
振り向くと、たくましくオムツを履いた、俊平が立っていた。
まだ3歳。
幼稚園、年少なのに、おむつ(笑)
が、彼は気にしていない。
あ、弟じゃないよ(笑)
俺のねえちゃんの子供。
俺の姉ちゃんはこの家に住んでいる。
だから姉ちゃんの旦那の健くんも住んでいる。
この2人、まだ24歳。
だけど9年付き合っての結婚。
そう。この2人、中3の頃から付き合ってる。
健くんはまじ良い男って感じ。
イケメンなのにかっこつけてない。
髪も短髪でワックスが大嫌いらいし。
男は素で勝負だって俺にいつも言ってる。
だから俊平も超良い男になると思う。