ディア フレンド
アタシは婆っちゃに貰ったメモを頼りにその場所に着いた。
 
「こ、これは・・・・」

アタシの目の前には和風の大きな門ではなく、洋風のお屋敷だった。
もう一度メモを確認する。ここで・・・あってる、よね?
すぅ~・・・はぁ・・勇気を出して、とりあえずドアをノックする。

「はぁい!!」

中から元気な女の子の声が聞こえる。一応、人いて良かった。
アタシは安堵の息を漏らすと、勢いよくドアが開く。
ガチャッ。ギギーッ・・・

「貴方が隣城杏南さんなのですか?入ってください」

凄く可愛らしい女の子が出迎えてくれた。そしてお屋敷の中に入れてくれた。
中は想像通りの豪華さだ。天井には大きなシャンデリア。
目の前には大きな階段。家とは全然違う。
女の子は大広間のようなところにアタシを案内してくれた。
大広間もめちゃめちゃ広い。ここで花嫁修業か?・・・
掃除大変そうだな・・・

「ここで少し待っていて下さいです。」

女の子はトテトテと走っていく。凄く走り方が可愛い。
この子も修行かな? アタシは部屋を見回す。シャンデリア・・・
めっちゃキラキラ光ってるよぅ・・・いくらくらいするんだろ。
そんなことを思っていると、入り口から人が何人か入って来た。
男の人かな?

「あぁ~!? お前、杏南じゃんか!何でここにいんだよ!?」

「えっ?渉!? えっ・・・ここって渉の家なの?」

「そうだけど?お前もしかして、新しいメイド?」

「メイド?何のこと?アタシは修行で・・・」

「それがメイドだってぇの!」

メイド? 修行の内容って・・・メイド!? 
何じゃそれ・・・アタシは思考回路がショート寸前だった。

「新しいメイドさん?可愛いね。」

渉の後ろには瑠璃色の髪をしたかっこいい男の人が立っていた。
あれっ・・・? どっかで見たような・・・渉でしょ・・あっ!

「ハヤテお兄ちゃん!? アタシ杏南。渉の幼なじみの!!覚えてる?」

ハヤテお兄ちゃんは一瞬驚いた顔をすると、元の笑顔に戻る。
凄くかっこいいよねぇ・・・ハヤテお兄ちゃん。

「杏南ちゃん? 久しぶりだね。随分可愛くなったね」

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