ディア フレンド

アタシの中の制御が効かなくなる。もう・・ダメ、

「はっ。杏南様、無理はイケませんよ？」

えっ？・・その人は片手でアタシの技を防いでる。近くで干渉すれば効かないのか・・
アタシの技はその人によって抑えられた。
アタシは安心と脱力感でその場にへたり込んでしまった。

「有李栖様、これでよろしいでしょうか。」


「ありがとう。杏南、あんまり感情的にならないで欲しいのです、渉も女の子はデリケートなのです。言葉に気をつけて欲しいのですよ。」

「ああ・・・杏南、悪かった・・」


「あっ・・うん。有李栖、その人・・・誰？」

「この人はわたしの使役なのですよ。ギーストと言って精霊の中で１番偉いのです。」


「初めまして、杏南様。これから、思想の五色がご迷惑を掛けますがよろしくお願いします。」

凄く礼儀の正しい人。まぁ、使役なのだからしょうがないか・・
でも、凄くカッコイイな・・なんか王子様みたいな雰囲気。
アタシは軽く礼をする。なんか、いろんな意味で緊張するな・・

「では私はこれで。有李栖様、また呼んで下さいね」

そういうとすうっとギーストは消えてしまった。少し話しずらそう・・
ギーストが消えてなんか変な空気が流れ込む。
ハヤテ様が元の自分の席に座る。沈黙を誰か破って欲しいな・・・

「杏南、スポンジだけでも作っておいたほうがいいのです。明日はあんまり時間無いのです。わたしも手伝うのです。」

有李栖が気を利かせて沈黙を破ってくれた。それを合図にアタシと有李栖は立ち上がる。そして、大広間を出る。その前に・・

「ハヤテ様、お風呂出来てます。先にどうぞ。」

「ああ、ありがとう。」


アタシはそう言い残して厨房にもう一度向かう。
有李栖は先に着いており、材料を計っていた。なんか、几帳面そうだな・・・
後ろ姿だけでもかなりきっちりしている。

「杏南、これ混ぜて欲しいのです。」

一言だけ言うとまたいろいろ計りだした。なんか、怒ってるのかな・・・
さっきのコト謝ったほういいよね・・