ディア フレンド

変わる心と募る想い

杏南side


ふぁ・・・今何時? 5時50分・・
もう少し時間あるけど、めんどいから起きよ・・
アタシは携帯を枕元に置き、ベットをおりようとする。
あれ? 誰か一緒に寝てた? 有李栖かな・・

アタシは布団を捲ってみる。えっ?
渉なんで寝てんの? ここ・・アタシの部屋だよね?・・

ヤッちゃった?・・・アタシはかなり動揺する。
どうしよう・・でも、腰とか何ともない・・よね?
ってかヤッた後ってどうなるの!?

アタシはとりあえず起こさないようにして慌てる。
なんにも変化はない、よね・・?
とりあえず着替えるか・・寝てるから良いよね・・・

アタシは渉が起きないうちにチャチャッと着替える。
いつものようにウィッグも付け、ポニーテールも作る。
時計を見ると6時を回っていた。順番に起こさないと・・・

アタシはもう一度ベットに近付き、渉を起こす。
なるべく強めに身体を揺する。

「朝!起きて。今日学校でしょ?」


「んっ?・・あっ。今日学校か・・・」

渉は立ち上がりちゃんと自分の部屋じゃないと分かっているようでアタシの部屋を出る。
あっ、なんでここにいるのか聞くの忘れてた・・・
行くときに聞けばいいか。

アタシは鞄を持って厨房へ急ぐ。朝から全力疾走する。
多分、陸部より早いスピードで出てる気がする。
ダダダダッ。アタシは自分の部屋から8秒で着くと息が上がる。

中で有李栖が凄く驚いた顔でアタシを見ている。
アタシは必死で息を整える。

「杏南・・どうしたのですか?そんなに走らなくても・・・」


「ゴメン・・はぁ。はぁ・・遅刻・・・」

「今日はしょうがないので昨日の残りをチンするのです」


すると、有李栖は電子レンジから酢豚を取り出す。
それ、冷凍でしょう・・アタシは突っ込まず素直にそのまま大広間に持って行く。
大広間には紗羅と伶哉くんが座ってあくびをしていた。

「おはよ。大丈夫?」


「ふぁ~・・おはよう・・・昨日の記憶があんまないだよね・・遊んでその後寝ちゃって・・・ずうっと寝てたような。」

ドキッ。遊んだ後、睡眠薬で寝てもらったんだ・・・
アタシはバレないように平静を装う。



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