ディア フレンド
「杏南。あんたは流石に職員室行ったほういいよ。多分同じクラスだよ?」

「うん。また後でね♪」

3人は一緒に階段を上ると見えなくなってしまった。アタシは職員室を探す。
案外近くにあった。そして、1回深呼吸をする。そして、
ガラガラガラッ。「失礼します。」

アタシはとりあえず近くにいた先生に声を掛ける。柄にも無く少し緊張する。
近くにいたのは女の先生だった。凄く若い美人な先生。
芸能人で言うと・・米倉涼子似かな。


「あの・・今日転校して来た、隣城杏南です。えっと・・・」

「杏南さんね。ちょっと待っててね。校長に挨拶しないとイケないから。」

先生は少し席を離れると奥の部屋に入ってしまった。少しすると足早に戻って来た。そして、アタシの目の前に立つ。

「ごめんね。いないみたいだから。先に教室行きましょう。あたしが3年2組担任の神田麗子です。よろしくね」

「はい。よろしくお願いします。」

「さぁ、そろそろホームルーム始まるから行きましょう。」

アタシたちは職員室を後にし、2階に向かう。この人は意外と気さくな先生だ。
さぞかし生徒に人気あるのだろうな。話し込んでいるうちに教室の前まで着いた。アタシは今になって急に緊張しだした。
紗羅たちと同じだといいな・・・そう祈りながら入り口の前に立つ。

「合図したら入ってね。」

そういうと先に神田が入って行った。すると、何やら話し声が聞こえ歓声が上がる。なんか、ハードル上げられてる気がするな・・・
凄くまた緊張して来たよぅ・・・・どうしよう。
アタシは無意識に掌に『人』を何度も書いていた。

「・・・さん。どうぞ。」

合図だ・・・アタシの心臓は一気に早くなり、息が上手く出来ない。それでも頑張って勢いよくドアを開ける。
ガラガラガラッ。「失礼します。」

教室に1歩足を踏み入れる。すると、一気に歓声が上がる。
何の歓声か聞く余裕がない。そして、教卓の前に立つ。
小刻みに足が震える。1番前に紗羅がニヤニヤしながらアタシを見る。
良かった同じクラスだったんだ。アタシは少し気持ちが楽になった。
そして神田に促され、自己紹介する。
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