君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
ここしばらくは頭痛がひどい。


事故の件は、北村家の問題で
私なんかの出る幕ではない。


そして、自分の存在を問いかけてみる。

(あたしは、恭一の、いったい、なんなんだろう?ただ泣くことしかできないなんて…そんなんで良いのかな?いや、良いはずがない!だって、あたし…まだ、お線香すらあげれてないじゃん!)


そして、
恭一の葬儀に、参列できる状態ではなかった私は、

一日でも早く、退院できるよう、
なんとか、目覚めることができた。


恭一が、他界してから、2週間が経ち


私は、久しぶりに登校した学校で、
思いもよらぬことを耳にした。


私が妊娠中絶して、心も体も静養中だったとか…


「だいたい、噂の出所は分かってるから、言ってあげようか?私、その娘の弱み握ってるからさ!」

「(全員が信じているワケでもなさそうだし)ありがとう!でも大丈夫!そんなデマ、気にしないから!」

「そう?」

「うん。」

「そうだね!」

「それより、授業でさ…」


そんな小さな事は、気になどならなかった。


この歳で、大切な人との、無残とも言える、永遠の別れを経験した私にとって、
これ以上の苦しみは無く、

はじめの一歩を踏み出せた私は、
こうして、少しずつ、乗り越えて行かなければならないのだ。
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