君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「君の学校って、皆そんな感じ?」

「は?」

「お嬢様校って聞いてるけど。」

「すみませんね、平民で!」

強きで返答し、ツンとした態度で歩きだす私に、
まだ傘男は付きまとう。

「俺の友達の彼女がさ、君と同じ制服着てたから。良い女ゲットしたってノロケてたけど、騙されてるかな?忠告したほうが良い?」

「何なんですか?いったい!」

「いや〜、名乗るほどでも〜」

「バッカじゃないの!親切ぶって、何のつもり?」

「このめぐり逢い、何かの運命かな〜なんて。」

(なんだこの男?いつもこんな手で、女の子に声をかけてるんだろうか?ソレに引っ掛かる女と一緒に見られるなんて、侵害だ!)

「変なヤツって思ってる?思ってるよね〜。でもこれが、作戦ですから!」

「は?」

「インパクト、強めでしょ?!第一印象って大事なんだよな〜!」

(確かに…おだてるどころか、ムカつかせる!こんなナンパは初めてだ。しかも地元で…)

その時、

「みっこ?」

(この声は…)

私と傘男は、その声の方を見た。

「どうした?」

私の隣に歩み寄った隆志は、
傘男を、瞬きもせずに、じーっと見つめた。

「うん、ちょっと。」

「ちょっとって?」

隆志は男から目を離さない。

そして男も、隆志から目を反らさなかった。
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