君の影をみてる〜幼なじみの恋〜
「あたしにはありません。離してください。」

「この前はごめん!調子にノリ過ぎた。」

「…」

「やっと、話すきっかけができたのに、突然すぎて戸惑ったんだ。どんな態度とったらいいか。」

「いつも、あんなんじゃないの?」

「ふざけ〜!初めてのナンパだぞ。」

「またまた〜」

「逆ナンはよくされるけどね。」

「フッ!(ヤな感じ)」

「あん時、何をどう話したら良いか…彼氏いるの知ってたから、マジで迫っても…断られるだろうし。そしたらあんな風に…やっぱ、嫌なヤツだったよな?」

「彼氏?」

「…よく見かけたよ…二人で居るとこ!しばらく見なくなって、久しぶりに見かけたら君一人で。見かける度いつも独りで…気になってた。」

(誰とのこと?)

「あんな、仲良さそうにジャレあってんの見せつけられて…あれを知ってて、自分をアピールするのは、なかなか勇気がいって、時間かかったよ。」

(時間?どのくらい?)

「第一印象って大事だよ!今だに、君はヤツとセットに思えて…なのにこの前、君の隣に現われた男は、ヤツじゃなかった…」

(…そんなに前から…)

私は、身震いした体を押さえるつもりで、腕を組んだ。

「コワイ?じゃあついでに、もう一つ怖いこと教えてやるよ。俺、あの時思ったんだ…俺にもチャンスはあるって!」

「チャンスって?」

「今の彼とは、うまくいってんの?」

「!」

「前の彼と何があったか知らんけど、彼とはタイプが違う気がしてさ。」

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