はつ恋
「・・・ごめんなさい。ホント言うと私も嬉しいの、凄く」
「僕らもっと、素直になる必要があるね。違うかい?」
僕はターミーの目の前にオレンジジュースを置くと、優しく言った。
「あなたが帰ってしまった後のことを考えると、とても寂しいの。私たち逢ったばかりなのに」
「ちっとも不思議じゃないさ。僕だって同じ気持ちだもの」
「本当に?」
僕は黙ってうなづいた。
僕らは、ほんの一瞬の時間をも惜しむように見つめあった。
それから、何年も愛し合っている恋人たちのように、なんてことない会話を楽しんでいた。ぎこちなかったこれまでが嘘のように・・・。