はつ恋


どれくらいの時間が経ったのだろう。


僕はターミーを抱きしめたまま彼女の髪を優しく撫でていた。


「大学から帰った時、叔母とジョージが居間であなたとあなたのフィアンセのことを話しているのを聞いたの。私は目の前が真っ暗になって、気がついたらホテルに来ていたの」


僕はターミーがいじらしく、愛おしく、さらにきつく抱きしめた。


「確かに日本に結婚を約束した女性がいる。だが出逢ってまもなく、君に魅かれてしまったんだ。君を愛してる。カズには折を見て話すつもりだったが、こうなったら僕はすぐにでも彼に言うよ」


僕の心は決まった。


「私を選んでくれるの?」


不安そうな瞳。


「当たり前だ。里美は分かってくれる。素晴らしい女性だから」


(何を支離滅裂なことを言ってるんだ。僕は最低だ。こんな時に里美の人格にすがっている。彼女なら修羅場などあり得ないと)





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