もしも翼があるのなら…
『翔、今度の日曜日は空けといてよ。』
1ヶ月後、悠里は映画が見たいらしくて誘ってきた。
悠里とは学校帰りに一緒に帰るくらいでデートらしいことをここ最近していない。
『午前中でいい?昼から敦たちとバスケするから。』
『もうあたしとバスケどっちが大事なの?』
ふくれ面で聞いてくる悠里。
どうして天秤にかけて答えを求めてくるのだろうか。
『バスケ?悠里?う~んどっちとも。』
『もういい!!』
怒って一人で帰ろうとする悠里の腕を掴んだ。