月夜の散歩
冬夜はそれからも度々あの香りをさせ溜まり場に現れるようになっていた


少しずつあたしの心に闇が忍び寄っていた



「陽菜ちゃんにちゃんと話した方がいいんじゃないんですか?最近すこし様子がおかしいし…」


「…わかってる…でもまだ駄目だ…もう少し待ってくれ」


「面倒な事はごめんですよ…」


「…わりぃ俺の我が儘だ…」


「やれやれですよホント」


陽菜の様子に気づいた秦は密かに心配していたのだ


そんな秦の心配をよそにあたし達の歯車は少しずつズレ初めていた
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