月夜の散歩

自分らしく!

冬夜はずっと黙って話を聞いてくれていた


黙ってしまったあたしの方を向くと


涙で濡れた頬をそっと撫であたしの身体を引き寄せ抱き締める


「陽菜…お前には笑顔が良く似合う…ずっと笑ってろ俺の隣で…黙って愛されてろよ」


「ふえっ…うっく…と…うや…ありが…とっ…うっ…くっ…」


抱き締める腕の力強さと温かさに冬夜の愛を感じた


「泣きたい時は泣けばいい…でも1人では泣くな俺を頼れ!お前は1人じゃない!!」


全てを受け止めてくれる広くて温かい冬夜の胸であたしの涙は止まることなく流れる


冬夜が一緒なら前を向いて歩いて行けそうな気がした
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