月夜の散歩
「忘れろなんて言わねー…けど陽菜は陽菜だ自分らしく生きろ…姉貴の分まで楽しんでやれよ」


口の端をくっと上げあたしの頭をワシャワシャする


涙でぐちゃぐちゃの顔で「うんっ」と頷くと立ち上がり窓に近付いて行く


ぐいっと涙を袖で拭い窓から見える月を見ていると後ろからふわっと抱き締められた


そしてあたしの首筋に小さな口付けを落とす


それが酷く心地いい


夕菜…あたしこの人を愛してもいい?


心の中でそう問いかける


─陽菜がそれを望むなら


まるでそう言っているかのように月は一段と輝きをました

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