月夜の散歩
夕菜が居なくなって自分を責め続けた


あたしがもっとしっかりしていたらあんな事には…


そしていつの間にか夕菜の代わりに生きてきてしまった


夕菜ならこうするだろう…こう思うだろう


立ち振る舞い全て夕菜に似せていた


「陽菜は夕菜じゃないんだよ?」


兄に言われたが自分を押し殺して夕菜になっていたあたしの耳には届いていなかった


陽菜なのか夕菜なのか…どう接していいか解らなくなった両親


それでも愛を注ごうとしてくれたがあたしには受け入れる事が出来なかった


あたしのせいで居なくなってしまった夕菜


自分だけがみんなから愛され誰かを愛するのはいけない事のように思えてならなかった
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