月夜の散歩

「どうして俺じゃない…ちーくんって呼んでくれよ…俺の時間はあの頃から止まったままなんだ…」



「ごめん…ごめんねあたしが弱かったからいけないの…ごめんね…"ちーくん"」



「はっ…あやまんなよ…俺って情けねー何やってんだか…」



あたしの上からのけるとドサッと隣に寝転んで天を仰ぐ



「悪かったよ…でもずっと探して恋い焦がれてた…好きだったんだずっと」



目を瞑り上を向いたままであたしに話す



「惚れた女の幸せ願うのも大事だよな…例えこの手で幸せにしてやれなくても」



そう言って自分の手のひらを見つめぎゅっと握り締めた
< 195 / 222 >

この作品をシェア

pagetop