月夜の散歩
太陽はキライか…


「太陽がキライなら昼間はどうしてる?」


「普通に学校行ってるよ…でも昼間のあたしは偽物かもね…本音を隠して皆に合わせてる…」


彼氏がどうとか好きな人がどうとか…解らないから本当はどうでも良かった


「疲れないのかそんなの?」


「慣れたよ…でも時々息苦しくなって逃げたくなる」


本当のあたしは何処なの…


誰かに必要とされたい…寂しいと心はいつも叫んでいた


気付かない振りをして逃げていた


「だから月夜に散歩をするの…昔はね家の庭で月の光を浴びてた…こうやって」


あたしは冬夜と手を繋いだまま両腕を広げ夜空を見上げて目を瞑る


月の光を全身に浴びて…
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