月夜の散歩
チラリと冬夜を見ると同じ様に月の光を浴びていた


「なんかお前の気持ち解った様な気がするな」


あたしを見てふわっと優しく微笑むとまた夜空を見上げた


優しい月明かりに包まれて2人の時間は静かに過ぎて行った


────…
───…
──…


「此処だから…ありがともう大丈夫」


あれからちゃんと冬夜はマンションまで送ってくれた


寄ってく?なんて気の利いた事あたしには言えない


「携帯持ってるか?」


あたし達は連絡先を交換して別れた


「じゃあね」


「ああ…連絡する…」


冬夜はエレベーターの扉が閉まるまで見送ってくれた


あたしは小さく手を振った…
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