時空奏者

アクアとこの世界




「……と、
これで大体の施設ですね。

まあ、自分が付いているので
迷子にはならないと思いますが」


天井にはクラシックな
シャンデリア。


煌(きら)びやかな光を受けてか
にこやか、とまではいかないものの

さっきまでよりは
表情が柔らかくなったリン。


それにひきかえ
ハルカはというと


常日頃の運動不足が証明されたかのように

横腹が痛かった。



「つ、疲れた…!
何ここ、どんだけ広いの!?
学校の5倍はあるよ…」



どの建物にも
医務室、応接室、トレーニングルーム
それから
食堂、資料室、
最後には
個人の部屋にトイレ、お風呂がある。


「大丈夫です。
1ヶ月もあれば慣れますから」


―――いや、無理!!

だって…!だってっ…!!


「本館、南館、
東館、旧館まであって
しかも、どの館も
上に6階以上ある建物なんだよ!?」


声を荒げるハルカ。

しかしそんな声まで
吸い取ってしまう程に大きな
本館地下1階第1ホール。



確かに
多少難しい配置かもしれない

とリンは思う。


建物の配置は、本館が中心で
その東側に東館があり
その南側に南館。

西側には
旧館がひっそりと建っている。

それだけで
十分問題なのだか、


更に
ここからが問題だ。


本館は南館と2階で繋がり
他の館とは繋がってない。
南館は地下1階で旧館と繋がっており
2階で本館と繋がってて
4階で東館と繋がっている。

旧館は地下1階で南館と繋がり、
あとの館とは繋がっていない。



―――ややこしすぎる!


全部1階で繋げばいいじゃん!?
地下で繋げたりしないでよ!

迷っちゃうじゃん!!



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