時空奏者
あの重そうな扉が
いきなり開き
「リン様覚悟っ…!!」
そう言いながら
1人の女の子が飛び出してきたのだ。
「は!?」
―――いや、何事!?
手に何持ってんの!?
それ矢でしょ!?
弓は!?…って違うか!
危ないでしょうが!!
パニックに陥るハルカ。
そんな事お構いなしに
2人は戦闘開始。
まずは女の子が突進してくるのを
サラリとかわすリン。
すかさず後ろを狙う女の子。
「甘いよ、あんたは」
前を見たまま
低くリンが呟くのと同時だった。
「っう!!」
振り返ったリンの
綺麗な右足の回し蹴りが
見事にわき腹にヒット。
倒れる女の子と
呆然とそのやり取りを見ているハルカ。
「だから、あんたはいつも負ける。
負けたら本番は終わりなのにね?
…出直しな」
そう言うなりハルカを見るリン。
「申し訳ありませんでした。
どうぞ、お休みになってください」
にこやかにベッドを勧めるリン。
―――いや、無理だろ!!
突っ込まずにいられなかったハルカであった。
―――さっきと雰囲気全然違うし!!
リンはエレンと違って
そんな野蛮じゃないって
信じてたのにっ…!
思いっきり怖いじゃん!