くじら




「………さっき花園さんと会って、瑠璃子さんが昴に連れていかれたと言うから…、一応…」





亜美子さん 。



「……昴は、社交界では品の良いフリをしてますけど、裏では女性をたぶらかしてます。身内の恥だから言わないようにしてたんですが…」






たぶらかしてる…




「……先に教えてくれれば良かったんです、そしたら…」






指の気持ち悪い
感覚が まだ忘れられない




「すいません…瑠璃子さん。」






先生は悪くない…



先生に謝られる
必要なんてない……





「……怖かったです。あのまま襲われるのかと思ったら…、」






下を向いた。
涙が出そうだった







「……大丈夫ですよ。昴には言っておきますから、早く馬車に乗って帰りましょう」








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