くじら
「はかったな、久白…」
床に、
小さな血の跡が残っていた
ドンと、ドアを乱暴に叩いた
「そういえば、母様はホテルをとられてると言ってました…」
「…そうですか。」
馬車は、ゆっくり
と進んでいく…
「もうホテルは閉まってるはずです、瑠璃子さん」
いまは深夜だ…
先生に言われるまま
飛び出してきてしまった
「……僕の家に泊まって下さい。たいした広さではないですが、」
「…えっと………、あの、」
先生はふっと笑った
「…何の心配をしているのですか?僕は何もしませんよ…」
分かってる…、