くじら
先生の家は それなりに立派な日本家屋だった
お手伝いの ふみさんが部屋を用意してくれてた
「お湯につかられたら如何ですか?お疲れでしょう」
ふみさんに
どうぞと勧められた
素直にしたがった
正直ずっと気持ちが
悪くて 堪らなかった
「ありがとうございます」
「……坊っちゃん。」
「ふみさん。ありがとう、急に言ったのに…」
「………あの子は、」
「……似てるけど、別人だよ。あの子は、四条のお嬢様だ」
「分かってますけど…、」
「授業の準備するから、瑠璃子さん頼むね」