ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
 確かこんな感じだったはず。


 チワワくんの接吻を、できる限り忠実に再現した。


 危うく『俺、日置のこと愛してるかも』などという、とんでもない錯覚に陥るところだったし。


 長さまでも、チワワくんのそれに忠実に従い、ようやく日置を解放した。


 最初のうちは暴れていた日置も、すぐに大人しくなり、無事、俺の任務は完了。


「今度あいつに会ったら、その時は… ちゃんと本人にしてもらえ。」


 何?この捨てゼリフ、心底うんざりだし。


 日置は顔をありえないほど紅潮させて、俺を睨み付けている。


 また口汚く罵られ、激しく殴られるのだろうと身構えていたが、予想を裏切り、日置はくるりと回れ右をし、背後に停めてあった日置の愛車だと思われる軽自動車へと歩き出す。


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