ロシアンルーレットⅡ【コミカルアクション】
そして俺たちは、ようやく部屋の中へ侵入。
兄貴が得た情報どおり、東郷の幹部らしき男は、寝室で女とご満悦だった。
どう見ても商売女だ、仰向けの裸の男の上に跨って、その豊満な裸体を男の上で狂わんばかりに上下させている。
兄貴が俺を振り返り、顎をクイと振る。
俺に行けということか、こき使いやがって…
仕方なくベッドの傍らまで忍び寄ると、俺は乱れる女のこめかみに銃口を突きつけた。
途端、素っ裸の男女は凍りついたように動きを止めた。
「取り込み中に悪いな、その男に用がある」
そう言うと、女は正面を向いたまま、その横顔をゆっくりと一度上下させた。
どうでもいいけど、ナイロンに顔締め付けられてて、すこぶるしゃべり難い。
「どけ。妙な真似すんなよ」
女はすぐさまベッドの上から降り立ち、元は自分の身を纏っていたであろう衣服を、大慌てで拾い集めて胸に抱くと、そそくさと寝室の出口へ向かった。
すれ違いざま、兄貴が女の腕に軽く触れて引き止め、何やら耳元で囁いた。
嫌な予感、どうせろくな事じゃないしね。
『後で俺にもヤラせろ』とかなら良いのに。