ピンキー
ピンキー
これは僕が小学生3年生の時のお話し…

僕の隣の席に座る耳の不自由な補聴器を着けた男の子、アダ名はピンキー。


そして僕はいじめっこで、ピンキーはいじめられっ子だ。


今日は学校の作文コンクールに出るクラス代表を決める日…

耳が不自由なので言葉もちゃんと喋れないピンキーを、いじめっ子の僕は皆の笑いを誘う為にクラスの代表に推薦した。

『もういちろ、みつめなおひけみまへんか』クラスの皆はピンキーが作文を読み出すと、ノートや教科書で顔を隠しながらクスクスと笑う


そして代表は投票で決められるのだが、断トツのトップでピンキーに決まった。

作文の題名は『もう一度見つめ直してみませんか』内容は、日本が豊かになった事で物を粗末に扱うという現状を見つめ直そうというものだ。

僕は思った…内容なんてどうでもいい、きっとピンキーが作文を読んだら学校中が大爆笑だ!


その日の帰り道、学校の裏にある駄菓子屋で友達と買い食いをしていると、目の前をピンキーが通った。


僕は友達のオイチンと金田くんに言った…『おいっ、あれ、ピンキーじゃん』僕達は顔を見合わせてニヤッと笑った。
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