“おさななじみ”に恋をする。下【上下完結】
凌が帰った頃を見計って、病室には顔を出そう。


そう思い、逃げるように。
かなり早足で歩いた病院の廊下。


ほんの少しだけ待って、エレベーターに乗り込み、


“はぁ…。
もう、大丈夫”


そう思ったのもつかの間。


くるりと前を向いたあたしの目の前には―――


「悪いけど。
遥、話がある」


眉間にしわを寄せた凌が立っていた。

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