君まで2ステップ
ってないない!!
何考えてんのよあたし…!!
啓介さんじゃなくて晴輝と、こんなとこ来るなんてこと自体あり得ないし!!

あたしはぶんぶんと頭を振った。


「梨亜ちゃん?大丈夫?」

「えっと…大丈夫です!!」

「じゃあ俺、なんか飲み物貰ってくるね?
あ、梨亜ちゃんは未成年だっけ?」

「はい…なのでお酒は…。」

「うん、分かってるよ。じゃあそこで待っててね?」

「はい…。」




一人でちょこんと椅子に座った。

なんでなんだろう…?
啓介さんはいつもより優しくしてくれるし、気も遣ってくれるし、大人だし、かっこいいし…
あたしの理想としてたタイプに完璧当てはまってるのに…

こんなに何もない感情が…『好き』なの…かな?
好きなタイプを好きになるんじゃないの?

啓介さんに会ってても、浮かんでくるのはあの時の晴輝の顔だけ…だなんて…。

そしてあの晴輝のあの表情が浮かんでくる度、きゅっと胸が苦しくなる…。




「はい、ノンアルコールカクテル貰ってきたよ?」

「あ、ありがとうございます。」

「じゃ、乾杯。」

「乾杯。」


< 141 / 200 >

この作品をシェア

pagetop