君まで2ステップ
そう言われると、微妙に分からなくなってくる。

陽パパは絶対絶対理想の人!!
文句のつけようがないし、背も高いし、かっこいいし優しいし…年上の余裕もある。
理想中の理想の人だけど…
陽パパがあたしの一番好きな顔で笑ってるときには絶対、100パーセントはるママが隣にいる。

あたしはそんな二人が大好きだし、二人が二人でいるから好きなんだと思う。
あの二人の間に割って入りたいなんてそんなことは思わない。
はるママに絶対敵わないから諦めるとかそういう気持ちもない。ってか『諦める』って何を?って感じだし。
時々ちょっと笑顔を見れればそれでいいなって思うぐらい。
あー…じゃあ陽パパへの気持ちはただの憧れとかいうものなわけ?
じゃあ理想の人じゃなくてみんな誰と恋に落ちるの!?


あたしの頭がグルグルしてる最中だっていうのに、ガチャッとドアが開いた。



「あれ?梨亜がいる…どうかしたの?」

「陽!!おかえり!!
陽菜も一緒なんて珍しいね。」

「偶然電車が一緒になってね。
陽菜、早く着替えておいで。結構濡れてるでしょ?」

「うん。
梨亜ちゃん、こんばんは。久しぶりだね。」

「あぁぁー!!陽菜ぁ…超可愛くなってる!!昔から超可愛かったけど!!」

「そっ…そんなことないよ…き…着替えてくるね。」

「あ、じゃあ夕飯の支度するわね。梨亜、暇でしょ?手伝ってよ。」

「えー…はるママ、こんだけあたしの頭の中ぐちゃぐちゃにしておいてそれはないよー…。」

「だってうちで食べてくんでしょご飯?
それとも帰るの?」

「いただきます…。」

「我が家の家訓は働かざる者食うべからずだから。」

「…従います…。
じゃあその後ちゃんと頭ん中整理するの手伝ってよ!!」

「はいはい。」

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