空に叫ぶ愛
「私、帰らなきゃ!」
「え?……って、おい!」
私を呼び止める空の声を無視して、私は痛む足を引きずりながら歩く。
早く、帰らなきゃ。
おばあちゃん心配してる…
「愛、送ってってやるから!」
「いい!」
「帰り道わかんの?」
私は進める足をピタッと止めた。
そして空の方を向く。
空は「フッ…」と笑みをこぼすと私のもとへと歩いて来た。
「可愛いなぁ、愛は」
と、頭に手をポンッって置いて再び空は『お姫さま抱っこ』をしようとした。